鼻声を改善するには、息の量を調節し、口を大きく開けて、かつぜつをハッキリさせる必要があります。
歌を歌っているとさまざまな悩みが出てきます。
その中で、鼻声であることを悩む人も多いでしょう
改善するのにヒントになれば幸いです。
歌声が鼻声になる
自分が鼻声であるかどうかは、自分の声を聴けばわかりますが、歌を歌うようになって、歌声を録音して聴いてみて、はじめて自分が鼻声であることに気がつく場合もあります。
話し声がもともと鼻声の人もいれば、歌うときだけなぜか鼻声になってしまう人もいます。
私も昔は歌う時にのみ、鼻声になるタイプでした。
歌うと鼻声だと言われ、それをなんとかしたいと思い、改善を繰り返し、今は鼻声だとは全く言われなくなりました。
そんな鼻声を少しでも改善する方法として、次の3つのコツがあります。
- 口と鼻との息の量を変える
- 口を大きく開ける
- かつぜつをハッキリする
では、ひとつひとつ見ていきましょう。
1. 口と鼻との息の量を変える
鼻声を改善するためのコツとして、口と鼻の息の量を変えるというのがあります。
声というものは呼吸の仕方で大きく変化するものです。
鼻声の人は、吐く息が、口からよりも鼻から多く出ていることがあります。
「自分で吐く息の量がよくわからない」という人は、鼻から息が多く出ているのか、口から息が多く出ているのか、簡単に確認する方法がありますので試してみてください。
まず、手のひらを顔の前にもってきて、鼻と口と両方の呼吸が確認できる位置にそえます。
次に、その状態で、あーっと声を出してみましょう。
そのときに、鼻声にならない人は、口から息が多く出ているのを感じるでしょう。
逆に鼻声の人は、鼻から多く息が出ていることが確認できるでしょう。
このように声を出すにしても、鼻から息が多く出ていたり、口から多く息が出ていたり、その両方からバランスよく息を出したりして、さまざまな音になるのです。
鼻声の人は、鼻から息が出すぎていることが多いので、口から息を多く出せるように改善していきます。
先ほどのように、手を鼻と口の前にそえながら、口の方から息が多く出るように調節していきます。
このとき、下あごを下げるようにして、声を鼻からよりも、口から出すことを意識して行うと、うまく口から息が出しやすくなります。
うまくできない人は、鼻を一度つまんでみて、その状態で声を出す練習をすると、口から声を出すというのが、どのような感覚なのかがつかめてくるでしょう。
鼻声を減らすには、口からの息の量を8割くらいにして、鼻からの息の量を2割くらいにすると良いでしょう。
鼻声の人は、鼻からの息の量が8割、口からの息の量が2割になっている可能性があります。
手のひらをあてて息の量を確認したり、歌声を録音したりしながら、自分の声の変化を聴いたりして、調節してみてください。
2. 口を大きく開ける
鼻声を改善するためのコツとして、口を大きく開けるというのがあります。
鼻声の人に多いのが、口をあまり大きく開けないというところです。
私も鼻声だったときは、口を大きく開けることに抵抗があったので、あまり大きく口を開けないことにより、鼻声になっていたところがありました。
口を大きく開けるというのは、慣れていないと、なんだか不自然に感じてしまうものです。
普段話しをしていても、しっかり口を開けて話す人もいれば、モゴモゴとして、あまり口を開けずに話す人もいます。
口をあまり開けずに話す人は、声も小さく、鼻声になりがちです。
運動でもそうですが、使わない筋肉は固くなりやすいものです。
ですから、スポーツをする人は柔軟をとてもしっかりします。
口をあまり開けない人は、顔の筋肉が固くなっていて、動かしにくくなっている可能性があります。
ですので、歌うときも顔の筋肉をほぐすようによく動かすとよいでしょう。
歌う前に顔の筋肉をしっかり動かす運動を、ウォーミングアップとして行うと効果的です。
顔の筋肉をしっかりつかうと、顔痩せの効果もありますので、顔がスッキリしてくることもあります。
鼻声にならないように、口はしっかり開けて歌いましょう。
3. かつぜつをハッキリする
鼻声を改善するためのコツとして、かつぜつをハッキリするというのがあります。
息の量も口から多く出し、口も大きく開けて歌っても、かつぜつがハッキリしないと、鼻声のように聞こえることもあります。
「口を大きく開ければ、かつぜつは自然によくなるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、口を大きく開けても、舌の使い方が未熟だと、かつぜつはよくなりません。
特に、舌が喉の奥に引っ込んでいるような状態で声を出すと、かなりの鼻声になります。
つまり、舌が原因で鼻声になっている人の場合は、舌を少し前に出すようにして歌うとよいでしょう。
舌を前に出すと言っても、口から舌が出るようなほど、前に出す必要はありません。
舌を上の歯の裏に当たるような位置におくだけでも、舌はかなり前に出るのです。
口の開け方は、見てすぐにわかっても、舌の動かし方は、なかなか見せてはもらえないので、わかりにくいこともあるでしょう。
自分で舌を口の中のいろいろな位置においたり、舌の力の入れ具合を変えたりして、そのときに出る自分の歌声を録音して聴いてみて、どのようなときに、どのような音が出るのかを確認してみましょう。
かつぜつについては、
そんなあなたの歌の発音を良くする3つのポイント
の記事にも、詳しく書いていますので、読んでみてください。
鼻声は、風邪を引いたりしていれば、テクニックだけではどうにも改善できません。
鼻炎になりやすい人などは、普段からマスクをつけたりして、鼻の状態を鼻づまりにならないようにしておきましょう。
自分の体質をよく知れば、対策もおのずと見えてきます。
鼻声が好きな人もいますので、どうしても鼻声が改善しない場合は、その鼻声をいかす歌い方を考えてみるのもよいでしょう。
能力の高い人というのは、自分の個性をうまく使う人です。
鼻声ではない人が鼻声になりたい場合、鼻声になる努力をしなければいけないので、鼻声になるまで時間がかかります。
しかし、もともと鼻声の人は、最初から鼻声なので、鼻声を出せるようになるために時間をつかわなくていいので、そのぶんだけ、練習時間は少なくてすみます。
自分の能力の個性を高めるのもおさえるのも自分次第です。
自分の能力をうまく使える人ほど、才能のある人だと言われることが増えるでしょう。
長所と短所は逆になることはよくあります。
自分では短所だと思っていた部分が、長所に変わることはよくあることです。
認識を少し変えると、悩みが誇りに変わることもあるのです。
いろいろな知識をつけて、自分にとっての歌をみつけてみてください。
まとめ
鼻声を改善するためには、口と鼻の息の量を変えて、口を大きく開け、かつぜつをハッキリするとよいでしょう。
鼻声になっている原因を自分でみつけて、どんどん改善していきましょう。
ライタープロフィール
奏音