電子ピアノやキーボードの音色は、残響(リバーブ)とセットで考えることが重要な理由
皆さんは楽器を演奏する時に「室内の残響」を気にしたことがありますか?
電子ピアノやキーボードを始めとする今時の電子楽器には、基本的に「リバーブ」という音の響きを調整できる機能が付いています。
ですが、楽器を始めたばかりの頃はこの機能を発見しても「なんとなく」使いがちなんですね。
かくいう筆者もそのような感じで、最初は超テキトーに使っていました。
「オォ〜、何か迫力が出て上手くなった気がする〜」こんな危ない感じです(笑)
しかしリバーブは楽器の表現に欠かすことができない機能であり、使い方次第ではまったく異次元の表現力を得ることができるのです。
テキトーに使うのはもったいないので、せひとも基本を押さえてあなたの演奏表現に深みを持たせて欲しいと思います。
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リバーブの注意点
リバーブは、兎にも角にもかけすぎに注意しましょう。
リバーブは基本的には残響を付加するので、かけすぎると「演奏をごまかす要因」を通り越し、音が濁ってしまったりぼやけてしまう危険性が潜んでします。
ぶっちゃけた話、リバーブをかけると演奏はうまくなったように聴こえます。
これはうまくなったのではなく、響きがより豊かになっていると考えた方が良いでしょう。
「やはりか、リバーブ切ったら一気に下手になったからどうもおかしいと思ったんだよ」
ですが、表現に必要な効果を狙って足せる、というのは明らかに重要な能力なので、リバーブによって演奏をより効果的にしている、という自覚さえあればOKです。
従って「必要な分だけ付加させる」という具合に、効果の範囲を狙ってコントロールすることを念頭におきましょう。
設定の基準
どのくらいが適正な数値なのか、自分でルールを決めましょう。
弾きたいと思っている曲で、ペダルも含めて、一番音が重なるセクションを弾いてみましょう。
その時に音が奇麗になっているか、濁っているかを確認してみてください。
ペダルで音を伸ばしながらも、さらに両手の最大限に使った和音、音数で奇麗になっていれば許容範囲内です。
逆に音が重なりすぎて、さらに残響もかかりすぎて音がグチャグチャになっていたらアウト。
目安としては、少し足りないかな?
というくらいにするのが筆者的にはオススメです。
足らないより足りすぎる方が音が濁って聴こえるからです。
もし迷ったら、一番音数が多いセクションを基準に設定しましょう。
また、最近のステージピアノやシンセサイザーの上位機種では、アコースティックピアノのフタの角度によるシミュレート機能も備えていますので、さらに深い設定が可能となっていますね。
深い設定ができるのは良いですが、自宅の響きとスタジオやライブでの響きは違いますので、環境によって調整できることが最終的には必要になってくるでしょう。
筆者のリバーブの使い方
電子ピアノで練習したり演奏する時には最初にリバーブ設定を決めてから弾きますが、バンドでキーボードを弾く時には色々と使い方を考えたりします。
例えば、バラードを演奏する時にイントロ、曲中、アウトロで少しずつ調整すると曲がよりドラマチックになったり、または楽器だけのインスト曲であれば、ピアノソロでリバーブを上げて「単音を中心に弾く」のも効果的なのです。
リバーブがかかってなければ音が細くまったく響かないので、いたずらに和音で音数を増やしたりオクターブで迫力を出したりしがちですが、例えばリバーブをかなり上げめにすれば単音を弾くだけでも存在感が増します。
また、より少ないハーモニー、単音でのメロディを大事に弾きたい場合もこの使い方は効果的です。
筆者はピアノやエレピのソロの入りなど、よくこんな使い方をします。
このように、演奏しながらリアルタイムでリバーブをかけるという使い方を身につけると、演奏の表現力が広がると思います。
ぜひやってみてください。
残響効果を比べてみよう
私が大好きな Video Game Pianist であるマーティン・ラングの演奏で「スーパーマリオメドレー」の動画になります。
狭い練習部屋と、大きなホールで弾いている音の違いに注目してみてください。
弾いている部屋の広さ、ピアノのフタがオープンかクローズかでも違いますし、何より響きも場所によっては荒くもなり、上品にもなりますね。
動画という点に関しては録音マイクなども関係してきますが、響きだけにスポットを当ててみると、2番目の動画のホール演奏は、自然で非常に上品な響きだと思います。
人それぞれ好みもありますので、奥深いですね。
最後に
電子ピアノ、キーボード、シンセサイザーに内蔵されている「リバーブ機能」について簡単に振り返ってみましたが、いかがでしたか?
実際に、リバーブは使うだけならすぐにできますので非常にお手軽な機能です。
その反面、注意すべきことは「どのくらいかけるか」ただそれだけです。
それさえ自分の中で押さえれば、あとはあなたの腕次第で演奏表現はさらに可能性を広げることができるでしょう。
重要なのは、リバーブはあくまでも「音を作る材料」という意識を持つことです。
もし今までなんとなく使ってきて、演奏と同じ立ち位置で考えていた方、これらをもう一度吟味して自分のピアノの音色を作り直してみてはいかがでしょうか?
筆者も毎回必死に調整していますが、少し違うだけで弾く時の気分も違ってきますね。
本記事ではピアノの音色を中心にお話ししましたが、バンドでキーボードを弾く方は他の音色のリバーブのかかり具合にも注目してみてください。
ぜひとも、必要な分だけ追加して、材料の無駄使いをしないようにしましょう☆シュミレート
ライタープロフィール
キーボーディスト・作曲家
ANDY
現在は作曲したBGMを無料で配信しているパーソナルな音楽素材サイト「音の園」を運営。
「音の園」の BGM は無料でご利用いただけますので、もし気に入った曲がありましたらゲームや動画などに添えて頂けると嬉しいです。
ウェブサイト:http://oto-no-sono.com
ブログ:http://andy-hiroyuki.hatenablog.com
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